設立の趣旨
産業技術資料の収集、保存、活用に関する活動を行い、その成果を広く公共のために役立てることを目的として、資料等の所有権を持ち、
各種補助金等の受け皿となりうる特定非営利活動法人を新たに設立・登記し、法人格を持つ団体を設立しました。
設立に至る経緯
1979年、故梅樟忠夫博士(当時、国立民族学博物館々長)が「国立産業技術史博物館」の設立を提案しました。
その実現に向けて、国立産業技術史博物館誘致促進協議会が結成され、博物館の収蔵品となるべき多数の実物資料および文献資料を収集・保存し、その数は約2万点に及びました。
しかしながら、多くの関係者の多年にわたる努力にもかかわらず、同博物館構想は未だに実現していません。
2008年、収集品の保管場所を確保できなくなり、また同協議会の解散と資料の廃棄という危機的状況を迎えましたが、日常的な活動を通して培われた関心ある人びととのネットワークにより、
相当数の重要な資料が廃棄を免れ、保存と活用の途を展望することができたことは不幸中の幸いでした。この間の活動を通して、
産業技術資料に関心のある個人、団体、組織の広がりを、私たちはあらためて認識した次第です。
そこで、「特定非営利活動促進法」にもとづく特定非営利活動法人産業技術資料保存調査会を設立し、
「大阪への誘致」という従来の枠組にとらわれず、ひろく産業界、学界、官界、市民の協力を得て、産業技術資料の収集、保存、研究、
活用の活動を実施することとし、2008年5月をもって発足するに至りました。
なお、設立に至る経緯について今少し詳しくは
ここを、
収蔵品については
ここを
ご覧ください。
当会の概況
設立当初において立てた当面の重点課題として、資料収蔵の継続と調査そして小規模な産業技術資料保存センターを設立し一部を公開することを目指しましたが、実現には至りませんでした。
目下は、日本における産業技術資料及び史料の調査を主たる業務として活動を続けています。当分、収蔵館の設置は望めそうにありませんが、多くの工業先進国のような博物館が我が国にも実現するときのために、貴重な資料の散逸を防ぐ活動とアーカイブの充実を目指しています。
なお、日本産業技術史学会が従前行ってきた業務のうち、関係資料の収集、保存、活用に関する活動を当会に移管し、合わせて当会は資料等の所有権を持ち、各種補助金等の受け皿となるものとし、日本産業技術史学会においては、研究活動に集中することとしました。
本会は2021年4月に解散いたしました。