映像資料保存事業


<発 端>
 大阪産業労働資料館エル・ライブラリー (財団法人大阪社会運動協会が運営)の書庫に、約100本の産業技術に関する16㎜フィルムが保管されていたことが、 2010年になって判明した。これは、大阪府労働情報総合プラザが2008年に廃止されために同協会に搬入されていたものであった。
 文科省学術研究助成基金助成金(課題番号:23501225・代表:堀尾尚志神戸大学名誉教授)の交付を受け、調査研究・保存事業が遂行された。
<保存選別作業について>
 同館所蔵の当該16㎜フィルム全107本(フィルム長さは映写時間にして平均20分)に対して、フィルム状態検査、 ビネガー・シンドローム検査及びADストリップ作成をおこなった。
 ADストリップ化は、タイトル及び企画・製作者等についてはすべてのコマを、本体については約30秒のサンプリング間隔でコマを取り込んだもので 1本あたり40~50コマであった。ADストリップにより前作品について検討した。
 全107本の内訳は狭義の産業技術史に関するもの48本、広義では91本、対象外16本であった。そのほとんどが1960年代前半に制作されたものである。
 なお、ADストリップ化は、IMAGICAウエスト社試作のデジタル同期式モニター装置(同期のためにパーコレータを使わない)によった。
<作品の公開について>
 著作権等権利関係に問題のないことが確認された作品を逐次配信している。
 配信には、
科学映像館 (NPO法人科学映像館を支える会) (埼玉県川越市、理事長:久米川正好)の御援助を頂いている。なお、同館のWEBサイトに 本NPOのコーナー が設けられている。
 目下配信中の作品は以下である。
  「ブルドーザ(点検整備編)」(カラー)/ ニッポン報道映画社
  「ブルドーザ(施工編)」(カラー)/ 日本科学技術映画社
  「製図編第1部 製図の基礎」/ ニッポン報道映画社
  「超硬工具」(カラー)/ 日本科学技術映画社
  「ガラスと建築」/ 日本科学技術映画社
  「緑の十字旗シリーズ 爆発災害防止篇」/ 京映株式会社
  「材料試験法」/ ニッポン報道映画社
  「新しい品質管理」/ 蒼映株式会社
  「計量管理メモモーション」(カラー)/ 蒼映株式会社
  「四つの駒」/ 京映株式会社
  「はんだづけ」/ 三陽映画社