会長就任にあたって               麓 和善 (名古屋工業大学教授)
 
 6月に神奈川大学で開催されました理事会・総会において選出・承認され、第7代目の会長に就任いたしました。
 昭和59(1984)年に本学会が創立されて以来の歴代会長のお名前を、ここで改めてあげさせていただきますと、 初代吉田光邦先生、第2代中岡哲郎先生、第3代後藤邦夫先生、第4代三宅宏司先生、第5代田中一郎先生、第6代堀尾尚志先生です。 歴代会長は、産業技術史分野における碩学であり、かつ本学会創立当初から学会運営に深くかかわられてこられた、ご高名な先生方ばかりです。
 一方、私の専門は日本建築史と文化財保存修理で、現在の当学会では少数派といえるでしょう。 本学会が創立したのは、私が文化財建造物の保存修理の仕事をしながら、日本建築史の研究に着手しはじめたころで、 当時理事をされていた恩師内藤昌先生の勧めで当学会に入会しました。 そして、内藤先生を中心に研究を進めていた古典建築書『愚子見記』に関する論文を『技術と文明』第4巻1号(1988年)に発表し、 同6巻1号・2号(1990~1年)に学位論文の一部となる絵様雛形に関する拙稿2編を発表いたしました。また、平成3(1991)年からは名古屋工業大学にうつり、 『技術と文明』8巻1号(1992)に古典建築書である雑作雛形に関する拙稿を発表いたしました。このように私が当学会に入会したのは、 若手研究者の研究発表の場としてでした。
 ところが、1998年には退会された内藤先生の後を引き継ぐ形で、中部・北陸地区の理事に選出され、 さらに2012年からは第5代田中一郎会長および第6代堀尾尚志会長から、廣田義人先生あるいは鈴木淳先生とともに、副会長に指名されました。
 この間、会長をはじめ理事および事務局のみなさまにはお世話になるばかりで、学会運営にかかわる実質的な仕事には全くかかわっておりませんでした。 また、生来ののんき者ゆえ、恥ずかしながら当学会の現状や課題もあまりよくわかっておりません。
 そのようなわけで、ここで当学会の発展を目指した明確な所信表明をすることができません。
 ただ、最近若手の入会者が徐々に増え、今年度の年会においても、若手研究者による活発な研究発表がなされたことは、 当学会の発展につながるものと、信じております。
 今後は、堀尾尚志先生や廣田義人先生から学会運営のための諸事務に関してご教示いただき、十分理解したうえで、 副会長や理事のみなさまにご協力いただき、微力ながら頑張りたいと思います。
  会員のみなさまからもご協力を賜りたく、どうぞよろしくお願い申しあげます。
   
                                                              2018年6月